CLEAR PALETTE

なぜストレスで肌が荒れる?ニキビ悪化の原因と対策をわかりやすく解説

  • ニキビを治す

ストレスが続くと、同じスキンケアをしているのに急にニキビが増える——
そんな経験はありませんか。実は「心の負荷」は自律神経やホルモン、免疫などの内的システムを通じて肌に波及し、毛穴の詰まりや皮脂増加、菌の増殖を招きます。

本記事では、ストレスがニキビを引き起こすメカニズムを、ストレッサーの種類から自律神経・ホルモン・免疫の変化まで体系的に解説します。この文章では「ストレスでニキビができる理由」について解説しています。

ストレスでニキビができる理由

「どうしてストレスが原因でニキビができるの?」というのが気になるところですよね。ストレスとは、医学的には外部からの刺激「ストレッサー」とそれに対して発生する体や心の反応のことを指す「ストレス反応」に分けられ、一般的にはこの両方の意味を含んでいます。

ストレッサーにはさまざまなものがありますが、大きく分けて騒音や暑さ・寒さなどの「物理的ストレッサー」、人間関係や仕事・家庭内での問題などの「心理・社会的ストレッサー」、有害物質や酸素不足などの「化学的ストレッサー」があります。

通常ならば、何らかのストレスを感じても体内で対処しようとする「防御反応」がはたらきます 。しかし防御反応がうまくはたらかずにストレス反応が生じた場合、つまりストレスがたまってしまった場合には心身の不調の一つとしてニキビができてしまうことがあるのです。

ストレスでニキビができた女性

自律神経が不調を来し新陳代謝が乱れる

ストレスによるニキビの原因の一つに自律神経の不調があります。自律神経とは状況に応じて意思とは無関係にはたらき体を常にベストの状態に保つ神経の総称で、「交感神経」と「副交感神経」に分けられます。

交感神経は主に体を動かすときに、副交感神経は体を休めるときにはたらいており、両者は相反するはたらきをしながら体温調整やホルモン分泌などの重要な役割を担っています。交感神経と副交感神経は常にバランスを取りながら体内の状態を調整していますが、ストレスを受けると交感神経のはたらきが強まり、そのバランスが崩れてしまうことがあります。

ストレスによって交感神経が刺激され続けると、本来体を休める夜間にも交感神経が活発になってしまい、交感神経と副交感神経が正常に機能しなくなってしまうことがあるのです。またこのような自律神経の不調は、肌の新陳代謝を乱れさせる原因にもなります。

新陳代謝
古い細胞から新しい細胞へと入れ替わることです。皮膚は表面から表皮・真皮・皮下組織の3層から成り立ちます。皮膚の新陳代謝では表皮の奥底で新しい細胞が生成され、表面の古い細胞を押し上げることで古い皮膚があかとして剥がれ落ちます。皮膚はこの新陳代謝によって健康な状態に保たれています。

肌の新陳代謝が乱れると毛穴周囲の角質が厚くなり、皮脂が詰まって毛穴の出口がふさがれてしまいます。毛穴の出口が皮脂でふさがれると内部でニキビ菌が増殖して炎症を起こし、ニキビができる原因になってしまうのです。

ニキビ菌
ニキビの原因となる菌のことです。正式名称は「プロピオニバクテリウム アクネス」といい「アクネ菌」とも呼ばれます。新陳代謝が乱れたりそれが原因で毛穴に皮脂が詰まったりすることで、皮脂を餌とするニキビ菌が異常に増殖してしまいニキビの原因になることがあります 。

ホルモンバランスが乱れ皮脂が過剰に分泌される

ストレスによるホルモンバランスの乱れもニキビができる原因となります 。

ホルモン
体の健康を維持するために、さまざまな機能を調整するはたらきがあります。ホルモンには多数の種類がありますが、例えば卵巣から分泌される「エストロゲン」は月経を起こしたり、副腎髄質から分泌される「アドレナリン」は脂質や糖の代謝を行ったりするはたらきがあります。

ホルモンは体内の機能が常に一定に保たれるようコントロールされていますが、ストレスによりホルモンのバランスが崩れてしまうことがあるのです。

ホルモンバランスが乱れると、男性ホルモンの「アンドロゲン」や交感神経の作用を促進するアドレナリンが過剰に分泌されます。アンドロゲンやアドレナリンが過剰に分泌されると皮脂の分泌が促進され、ニキビの原因になることがあるのです。

それだけでなく女性の場合はエストロゲンと「プロゲステロン」という女性ホルモンもニキビに影響することがあります。

プロゲステロンは男性ホルモンと同様に皮脂の分泌を促す作用があるため、プロゲステロンが多く分泌される月経前になると皮脂が多くなりニキビができやすくなるともいわれています。エストロゲンは皮膚に潤いを与える作用があり、月経開始から排卵までの期間はエストロゲンが多く分泌されるため肌荒れは起こりにくいと考えられます。

しかし排卵後にはエストロゲンの分泌量は低下し、プロゲステロンの分泌が多くなります。女性の場合は女性ホルモンによる影響もあるため、特にストレスをため込まないようにしたいですね。

免疫力が下がりニキビ菌が増える

ストレスは皮膚の免疫力を低下させる原因になることもあります皮膚の免疫力が低下するとニキビの原因となるニキビ菌が増殖するためニキビができやすくなることがあるのです。

人間には生まれながらに皮膚のバリア機能が備わっており、皮膚表面の「角質層」とそれを覆う「皮脂膜」が弱酸性に保たれることで体内に細菌などが侵入するのを防いでいます。しかし、ストレスにより自律神経やホルモンバランスに不調が生じると皮膚のバリア機能が弱くなってしまい、ニキビ菌が増殖してニキビができやすくなってしまうのです。

さらにニキビができること自体がストレスになり、悪循環に陥ってしまうこともあります。このような事態を招いてしまう前にこまめにストレスに対処するようにしたいですね。

まとめ

いかがでしたでしょうか。ストレスは単なる気分の問題ではなく、自律神経・ホルモン・免疫の連鎖を通じて肌の新陳代謝や皮脂分泌、菌の繁殖にまで影響します。

要点を整理すると——

自律神経の乱れ:ターンオーバー不全→毛穴詰まり
ホルモン変動:アンドロゲン・アドレナリン・プロゲステロンで皮脂増
免疫&バリア低下:ニキビ菌増殖→炎症化

メカニズムを知ることは、対策の近道です。

Q&A

Q なぜストレスでニキビが増えるの?
Aストレスで自律神経やホルモン、免疫が乱れます。結果として毛穴が詰まりやすくなり、皮脂増加と菌の増殖が進みます。
Q 自律神経の乱れは肌にどう影響する?
A交感神経が優位になると新陳代謝が乱れ、角質が厚くなって毛穴が塞がります。詰まった毛穴で菌が増え、炎症が起こります。
Q ホルモンバランスはニキビに関係ある?
Aはい。ストレスでアンドロゲンやアドレナリンが増え皮脂が過剰に。女性は月経前にプロゲステロン優位となり、乾燥や詰まりが起きやすくなります。
Q 肌の免疫やバリア機能が落ちると何が起こる?
A角質層と皮脂膜のはたらきが弱まり、ニキビ菌が増えやすくなります。炎症が長引き、悪循環に陥りやすくなります。

ニキビを治すための2ステップ

  1. STEP 1STEP 1まずは不安や課題に気づく
  2. STEP 2STEP 2解決方法を知る