乾燥肌を改善する4つの方法|食生活・睡眠・スキンケア・紫外線対策
乾燥肌の改善は「保湿だけ」では続きません。肌の材料となる栄養、ターンオーバーを司る睡眠、摩擦や過洗顔を避けるスキンケア、そして紫外線から守る生活設計などが大切です。複数の歯車を噛み合わせてこそ、バリア機能は回復します。
本記事では4つのポイントに沿って実践手順を整理し、最後に総まとめを掲載します。
食生活を改善する
栄養が不足するとターンオーバーが乱れたり、潤いを保ちにくくなったりするため、健康な肌にはバランスの取れた食生活が大切です。
健やかな肌を保つために注目したいのは「たんぱく質」「ビタミン」「ミネラル」です。たんぱく質は体のエネルギーとなる栄養素の一つで、皮膚や筋肉、内臓、爪、髪の毛などの体の組織の材料となります。
また、肌のハリや弾力に欠かせない「コラーゲン」もたんぱく質の一種であるため、不足するとシワやたるみなどの原因にもなります。たんぱく質を多く含む食品としては、鶏のささみや豚肉、卵などがあります。
ビタミンにはさまざまなものがありますが、「ビタミンA」は皮膚や粘膜の新陳代謝を促進するはたらきがあり、不足すると皮膚や粘膜の乾燥につながるといわれています。ビタミンAを多く含む豚のレバーやうなぎ、ナチュラルチーズを取り入れることで、潤いのある肌を保ちたいですね。
また「ビタミンB2」は皮膚・髪・爪などの細胞の再生に関与しており、肌の機能を維持するために重要な栄養素です。乳製品や動物性食品、豆類に多く含まれており、日常的に取り入れやすいものも多くあります。納豆やうずらの卵、ナチュラルチーズなどを摂取してビタミンB2を補いましょう。
さらに、ビタミンCも肌の健康に欠かせない栄養素だといえます。ビタミンCは皮膚や腱、軟骨などを構成するコラーゲンの合成に必要です。また、増え過ぎると老化やシミ、シワ、免疫機能の低下、がんの発症などの原因となる「活性酸素」のはたらきを抑える「抗酸化作用」も持っています。ビタミンCは赤ピーマン(パプリカ)やキウイフルーツ、ブロッコリー、みかんといった食べ物に多く含まれています。
ミネラルは、生体を構成する元素のうち、酸素、炭素、水素、窒素の四つの主要な元素以外のものの総称です。栄養素として不可欠なことが分かっているものは16種類ありますが[1]、なかでも皮膚の健康には「亜鉛」が重要だといえるでしょう。
亜鉛は味覚を正常に保ち免疫力を高める他に、たんぱく質を合成したり、ターンオーバーを促進したりするはたらきもあるため、皮膚の健康には重要な栄養素です。亜鉛が不足すると味を感じにくくなったり、傷が治りにくくなったりするだけでなく、肌が乾燥し荒れやすくなるなどの症状が出るといわれています。
亜鉛は体内で作り出すことができないので、食事などからの摂取が必須です。亜鉛を多く含む牡蠣や豚レバー、焼きのりなどを食事に取り入れると良いかもしれませんね。
このようにバリア機能を高めるためには、肌の健康を維持する上で必要な栄養素を摂取することが重要です。無理なダイエットや偏った食生活はできるだけ避け、肌にも健康にも優しい食生活を送りましょう。
生活リズムを整える
肌の健康を保つためには食生活だけでなく、生活リズムを整えることも大切です。睡眠中は、肌のターンオーバーに必要な成長ホルモンが多く分泌されています。
睡眠不足が続くと肌の乾燥やごわつきが生じ、気になったことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。それは睡眠不足によって成長ホルモンの分泌が妨げられているからかもしれません。
ターンオーバーの乱れによって肌の生まれ変わりがうまくいかないとバリア機能が低下し、肌の潤いを保ちにくくなるほか、外部からの刺激を受けやすくなってしまいます。
成長ホルモンは就寝後数時間で分泌され全身を巡り、日中受けた乾燥や紫外線などによる肌へのダメージを回復させるはたらきをします。健やかな肌を育むためにもしっかり睡眠時間を確保しましょう。
また、成長ホルモンの分泌には睡眠の質を改善することも大切なポイントです。
睡眠中は深い眠りの「ノンレム睡眠」と、浅い眠りの「レム睡眠」が交互に繰り返されますが、成長ホルモンは眠りについて最初のノンレム睡眠に最も分泌量が高まります。人の体は朝起きてすぐに日光を浴びることによって体のリズムが整い、夜になると自然と眠気が生じて寝つきが良くなるといわれています。そのため、眠りの質を高めるために朝の習慣として朝日を浴びると良いでしょう。
また睡眠の質を低下させるものとしては、就寝前の激しい運動や食事、飲酒、スマホやPCを操作することなどが挙げられます。健康な肌を保つためにも、睡眠リズムを整えた生活を心掛けたいですね。
適切な方法でスキンケアをする
健やかな肌を保つためには清潔な状態を保ち、乾燥を防ぐスキンケアを取り入れることが大切です。
洗顔をすると皮脂膜や天然保湿因子が洗い流されてしまい、肌は乾燥しやすい状態となってしまいます。しかし洗顔をしないままでいると皮脂や花粉などが残ってしまい肌へのダメージとなるため、洗顔によって清潔を保つことは重要です。
洗顔のポイントは、肌に優しく洗い清潔にすることです。よく泡立てた泡で円を描きながら優しく洗いましょう。ゴシゴシ洗うと肌の角層がダメージを受けたり、皮脂が過剰に洗い流されたりしてしまい乾燥肌の悪化を招いてしまいます。
そしてぬるま湯で洗い流しましょう。熱過ぎるお湯を使うと、皮脂を過剰に洗い流してしまうので注意が必要です。洗顔後もゴシゴシこすらず、肌にタオルを優しく押し当てるように水分を拭き取ります。
洗顔後はバリア機能が低下しているので、化粧水で肌に水分を与え、油分を含む乳液などで水分が蒸散しないようにすることも重要です。また、洗顔の回数は朝と夜の1日2回までとし、必要以上に皮脂を洗い落とさないようにしましょう[2]。
紫外線対策を行う
紫外線はバリア機能にダメージを与え乾燥を引き起こします。肌が乾燥するとシミやそばかすができてしまったり、ハリや弾力が低下したりする恐れがあるので注意が必要です。
紫外線対策としては、紫外線の強い日中を避けて外出をしたり、日焼け止めや日傘などを使用したりしましょう。また、乾燥肌の方の場合は日焼け止めを塗る前にしっかり保湿をすることも効果的です。最近では保湿成分配合の日焼け止めクリームなども販売されているため、ご自分に合った方法で対策をしてみてくださいね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。乾燥肌を改善するには、保湿だけでなく内側と外側の両面からのケアが必要です。
まず、たんぱく質・ビタミンA・B2・C・亜鉛などの栄養を食事から摂取し、肌の材料と代謝を整えましょう。次に、睡眠を十分にとり生活リズムを整えることで、ターンオーバーを促進します。スキンケアでは、優しく洗顔し、化粧水と乳液で保湿を重ねることがポイントです。さらに紫外線対策を徹底し、保湿効果のある日焼け止めを活用することで、肌の潤いとバリア機能を守りましょう。
今日の生活に一つずつ組み込むことで、角質層の環境は確実に整います。あなたの肌に合う最適解を見つけていきましょう。
Q&A
- Q乾燥肌を改善するには何から始めればいい?
- A食事・睡眠・スキンケア・紫外線対策の4つを同時に整えることが大切です。どれか一つではなく、全体のバランスが鍵です。
- Q肌乾燥を改善するには食生活では何を意識すべき?
- A肌をつくるたんぱく質と、ビタミンA・B2・C、亜鉛を意識しましょう。鶏ささみ、卵、レバー、キウイ、牡蠣などが効果的です。
- Q睡眠と肌は関係あるの?
- Aあります。睡眠中に分泌される「成長ホルモン」がターンオーバーを整え、肌を修復します。寝始めの3時間を深く眠ることが重要です。
- Qスキンケアの基本は?
- A泡でやさしく洗い、ぬるま湯で流してタオルは押し当て拭き。洗顔は朝夜2回まで。化粧水で水分を入れ、乳液でフタをしましょう。
- Q肌乾燥を改善するための紫外線対策のポイントは?
- A日焼け止め・日傘・帽子で守ること。乾燥肌の人は保湿後に日焼け止めを重ねるのが効果的です。保湿成分入りUVケアもおすすめです。